サニーブライアンの逃走記録

主に『競馬』に関する事の記録や、自分の思考ルーツとかについて書いていこうかと思います。

2018年生産駒 血統構成的注目馬 【エピファネイア編】

 

サトノラミアの2018 ♂

母:サトノラミア

BMS:ブライアンズタイム

厩舎:不明

馬主:不明

生産者:千代田牧場

兄姉:ピッパ

兄姉は競走馬として殆ど実績を挙げられてはいないが、当馬の配合はRoberto4×3の系列ぐるみを明確な主導勢力としてBMSブライアンズタイムを強調した、ど迫力な配合。

エピファネイアの配合での課題点でもある、Princequilloの世代の古さからくる連動制の希薄さも、BMSブライアンズタイム自体の血統も現在では古い血統にあたり、『I理論』上での常套句でもある「RibotPrincequilloの血の相性の良さ(世間的には「ニックス」と呼ばれるもの)」が双方の血が前面に位置するが故に、Princequillo5・9・8・8×8・9のクロスで父内5代目に位置する血の中で主要な祖先の血が強力に作用していて、その存在感を示している。

また、その他のクロス馬も、Nijinsky6×5-Northern Dancer7・5×6は主導勢力Roberto内NearcoやBull Leaと結合を果たし、スピード・スタミナを供給。

BMSブライアンズタイム内6代目でクロス馬としてあるAlibhai7×6・7やEight Thirty8×6も、Princequillo内のTracery-Rock Sandと結合を果たし、またNative Dancer7・9×6・8・8クロスも、それぞれがNorthern Dancer7・5×6の中間断絶クロスを媒介として直接・間接的に能力参加を果たしている。

さらに、Backpasser7×5も主導勢力Robertoと強く結びついており、良質なスピード・スタミナの供給源として作用している。

この主導勢力の明確さとその他のクロス馬の結合度の強さからくる連動制は相当の迫力を持っていて、完全に類似した形ではないものの過去の名馬の中で言えばナリタブライアンの配合に通ずる迫力を感じた。

些細な欠点を挙げれば、父母シーザリオの母系の血であるPrincipia内に弱点が派生してはいるが、影響度数値は④と血統内では最も弱い部分でもあり、主導勢力となるRobertoの血や影響度の強いBMSブライアンズタイムの邪魔をしている形ではないので、些末な問題で済むかと思う。

クロス馬の数も「54」と理想的な数字に収まっており、それぞれのクロス馬が必要最低限の数で主導勢力と結びついている証でもあることから、仕上がりに難が出るような配合にも思えない。

父母ともに世代間の血の位置にバランスの悪さを抱えながらも、それが上手くジャストフィットした好例となる配合のように見えます。

 

 

 

トーセンサンドラ♀

母:シェイラトス

BMS:Galileo

厩舎:不明

馬主:不明

生産者:エスティファーム

兄姉:トーセンポエム

母シェイラトスの産駒は全部冠名「トーセン」の島川隆哉氏が所有し、初仔(?)のトーセンリヒト以外は中央でデビューしていることから、当馬も中央デビューしてくれる期待値は高いかと思う。

そしてこの配合の最大の特徴は、何といっても「Sadler's Wells4×3の系列ぐるみ主導の明確さとその迫力」にあるかと。

エピファネイアの主導勢力でもあったHail to ReasonがSadler's Wellsの血統内に含まれサポートし、5代目の位置から父Prince Roseを含むPrincequillo5・9・8・8×7・7のクロスが、BMSであるGalileoの父Sadler's Wells内9代目に位置するTraceryとBayardoを通じて、しっかりとスタミナ勢力として能力参加を果たしているのは、大きな魅力だと思う。

6代までに生じたクロス馬の主導勢力との結合状態も良好な点から、父エピファネイアQueen LouieとWishing Wellに生じた弱点も、致命傷とならずに軽微な状態なのではないかと推察される。

影響度数値も⑦⑦⑮⑥とバランスも良く、クロス馬の種類と数も「55」と良好。

BMSであるGalileoの父Sadler's Wellsが3代目からクロス馬となり、主導勢力として力強く牽引している血統構成は、サトノラミアの2018と同様にナリタブライアンを彷彿させるモノがある。

距離は一見すると中~長距離に適性がありそうな感じなのだが、その他の能力参加を果たしているクロス馬を見る感じでは意外とマイルあたりならこなせてしまう可能性もありそうにも思う。

惜しむらくは当馬が牝馬である点なのだが、それも距離の融通性という部分において牝馬の気性面がプラスに働く可能性があるかも。

ともあれ、デビューの動向には注視したい馬である。

 

 

 

タマモコレクト♂

母:チャームアンサー

BMS:メジロライアン

厩舎:不明

馬主:タマモ

生産者:対馬

兄姉:タマモメイトウ

当馬の兄姉もシェイラトスの2018同様に「タマモ」を冠名とする馬主が全て所有している事から、当馬も中央デビューしてくれる期待値は高い。

当馬の主導勢力はHalo5×4の系列ぐるみが明確で、祖母アンサーミー内ジョリーズヘイローの血を全開した形態。

次いで祖父シンボリクリスエスPrincequillo5・9・8・8×8・9となるのだが、父エピファネイア同様5代目に位置するPrincequilloのクロス馬効果があるのかの判断は、少し難しい。

ただ、その父Prince Roseは6・9・9×7・8・9・8と確実に能力参加を果たしているところから、少なくともマイナス材料とはならないだろうと判断される。

さらにこの配合で最も注目したい点は、強調されたジョリーズヘイロー内のSir GaylordPrincequilloの血を含んでおり、Sir Gaylord6×6という形で能力参加を果たしている点である。

そしてBMSメジロライアン内6代目でクロス馬となったLady AngelaAureoleが、Bayardoを通じて祖父シンボリクリスエス内で5代目でクロス馬となっていると思われるPrincequilloと結びつき、スタミナ勢力として連動し結合を果たしている点も強調しておきたい。

Northern Dancer7・5×5・6もAlmahmoudを通じて主導勢力Haloと強固に結合し、また祖父シンボリクリスエス内6代目でクロス馬となったOccupy(=Draeh)6・7×8もその父Bull Dog(=Sir Gallahad)を通じて主導勢力と結合を果たし、「血の結合度」という点においてはご紹介した3頭の中では最も優れているように感じられる。

強調された祖母内ジョリーズヘイローと生きている血の関係性から、距離はマイル~2000mに最も適性があるように思える。

ただ、血統内で生きているスタミナの血の質もいいので、距離の融通性は高そう。

影響度数値も⑦⑥④⑨とバランスよく、安定した走りが期待出来るタイプの馬なのではないかと思われます。

個人的な見解で恐縮なのですが、2つ上の兄タマモメイトウは、2019年春の福島【雪うさぎ賞】(3歳500万条件レース)で3着に来たレース内容を評価しておりまして、当馬の血統を調べる前から「レースでの走り」で目についた兄を通じて、その兄の下という事で注目していた馬でした。

そうした走りに注目していた馬の下の仔が上よりも活躍するパターンというのが過去にも割と多かったので、そういう意味でも当馬にはかなり期待を持っています。

 

 

 

で、ココまで2018年生のエピファネイア産駒の血統を調べて、最も注目しておきたい馬について書いておきながらなんですが、、、実はエピファネイアの血統ってあまり好きではない(…ていうか、寧ろ嫌いな部類w)んですよね(苦笑)

 

 

 

 

 

 あ、POGのルールの中では【ダービー】までとなる所が多いかと思いますので、そのルールでしたらもしかしたらご紹介した3頭は向いていないかもしれません。。。

ですが、将来的に見て晩成タイプで息の長い活躍をしそうな馬を、若しくは大物タイプである可能性が高そうな馬を血統面から探り出すという意味では、目を付けておきたい馬かとは思います。

 

 

 

その他の血統的注目馬

短距離~マイル

・ビーチバレー♀

母:クロンヌードル

BMS:アグネスタキオン

厩舎:不明

馬主:不明

生産者:ノースヒルズ

兄姉:キンノマサカリ

《短評》

サンデーサイレンス4×3の系列ぐるみクロスが明確な主導勢力となった点が、最大の特徴である配合。

血統内に弱点の派生はなく、6代目までに発生したクロス馬も主導勢力と結合を果たしている点は良好なのだが、クロス馬の数と種類が「62」と多く、開花にやや時間がかかるタイプかも。

 

・ノーブルジュピタの2018♂

母:ノーブルジュピタ

BMS:アドマイヤジュピタ

厩舎:不明

馬主:不明

生産者:新冠伊藤牧場

兄姉:ノーブルヘリオス

《短評》

Roberto4×5の系列ぐるみのクロスを主導勢力とし、サンデーサイレンス4×4の中間断絶クロスで血を纏めた形態。

血統内に弱点の派生はなく、祖父シンボリクリスエスを強調した形で、芝・ダートを問わないタイプに思える。

 

・チャーリーズの2018♀

母:チャーリーズ

BMS:キングカメハメハ

厩舎:不明

馬主:不明

生産者:新冠タガノファーム

兄姉:アルムユヴラージ

《短評》

Halo5×4の系列ぐるみクロスを主導勢力とした形態の配合だが、Haloの血を持たない祖父シンボリクリスエスの影響度が⑧と強く、その点はあまり強調出来る材料ではないと思われる。

ややスピード色の強い馬が6代目までにクロス馬として能力参加している事から、スプリンター寄りの馬なのではないかと推察される。

 

・ナムラスパロー♀

母:ビウイッチアス

BMS:ダイワメジャー

厩舎:不明

馬主:奈村伸重?

生産者:いとう牧場

兄姉:ゴールドプラネット

《短評》

サンデーサイレンス4×3の中間断絶クロスを呼び水とし、その祖父Hail to Reason5・8・6・7×5の系列ぐるみクロスを主導勢力とした配合。

ただ、祖母内Jesterも6×5と系列ぐるみのクロス馬として前面で能力参加している事から、やや主導は不鮮明かと思われる。

血統内で生きている血もスピード色が強く、BMSダイワメジャーの影響度が⑬と最も強い点も含め、スプリンターである可能性が高い馬であろう。

 

・ロゼシャンパーニュの2018♀

母:ロゼシャンパーニュ

BMS:ゼンノロブロイ

厩舎:不明

馬主:不明

生産者:ノーザンファーム

兄姉:ドゥシャンパーニュ

《短評》

サンデーサイレンス4×3の系列ぐるみクロスを主導勢力とし、次いでRoberto4×6・5クロスでスタミナを補完する形態。

とはいえ、その他の6代目までに生じたクロス馬はスピード色がかなり強く、距離には限界があるタイプに思える。

 

 

マイル~中距離

・ゴッドフロアーの2018♂

母:ゴッドフロアー

BMS:ハーツクライ

厩舎:栗松永幹夫栗東

馬主:広尾レース

生産者:木村秀則

兄姉:初仔?

《短評》

サンデーサイレンス4×3の中間断絶クロスを呼び水とし、Northern Dancerのクロスを含むSadler's Wells4×4を主導勢力とし、父の母シーザリオを強調した配合。

ただ、上記に挙げたクロス馬がともに同じ4代目で強い影響を示している点から、やや主導勢力が不明確となった点は、マイナス。

 

・ヴァルホーリングの2018♂

母:ヴァルホーリング

BMS:Halling

厩舎:不明

馬主:不明

生産者:オリオンファーム

兄姉:レベンディス

《短評》

Northern Dancerのクロスを含むNijinsky6×5が主導勢力となる配合。だが、その父Northern Dancerも同じく5代目から中間断絶クロスとなり、Princequilloもその父Prince Roseを伴い同じく5代目からクロス馬として能力参加を果たしている点から、主導勢力はかなり不明確。

最も影響度の強い祖母内Matchに弱点が発生してしまった点もマイナスではあるが、影響度数値が③③④⑤と異系交配の形態を保てている点から、その弱点もやや軽微で済んでいる可能性があるかも。

ただ、それらの影響から、ツメの甘いタイプの馬である可能性はある。

あと、生きている血の傾向から、恐らくは芝向きの馬。

 

中距離

・サンシャインの2018♀

母:サンシャイン

BMS:ハーツクライ

厩舎:不明

馬主:不明

生産者:社台ファーム

兄姉:アラタ

《短評》

サンデーサイレンス4×3の中間断絶クロスを呼び水とし、その中のHail to Reason5・8・6・7×5の系列ぐるみクロスを主導勢力とした配合。

大きな弱点の派生もなく主導勢力も明確な点はセールスポイントではある。ただ、祖母バルドウィナの影響度数値が⓪とややバランスを崩してしまった感を覚えるが、エピファネイア産駒にしてはクロス馬の種類と数が「49」と少なく、その血統内に弱点も派生しておらず、この点は大きなマイナスとはならないと思う。

 

・ラベンダーテソーロ♀

母:レッドシェダル

BMS:ジャングルポケット

厩舎:和田雄二(美浦

馬主:了徳寺健二ホールディングス

生産者:高橋義浩

兄姉:2番仔?

《短評》

サンデーサイレンス4×3の中間断絶クロスを呼び水とし、その中のHail to Reason5・8・6・7×5の系列ぐるみクロスを主導勢力とした配合。

祖母スターリーロマンス(=フジキセキ)の血を強調した配合で、Le Fabuleux6×4が単一とはいえ前面でクロス馬となりスタミナ勢力として能力参加している点から、中距離~クラシックディスタンスを得意とする血統構成ではないかと思われる。

 

 

 

 

 

血統を調べたのはいいが、次点扱いとなってしまった馬達をこのまま埋もれさせてしまうのがしのびなくなってしまったので、簡単に…ですが書き残しておきました(笑)